現在発見されている世界最古の美術作品は、今から約3万5千年前に始まる旧石器時代後期のものです。
まず、35000年くらい前に、装飾と彩色をほどこした骨や象牙が登場。その後15000年くらいたってから造形美術(絵画、彫刻、建築など)が生まれ、洞窟壁画が描かれました。
フランスのラスコー洞窟とスペインのアルタミラ洞窟で発見された洞窟壁画、ブラッサンプイ出土の女性頭部像、ヴィレンドルフ出土の乳房と臀部が誇張された石偶などが優れた原始芸術として有名です。
これらの芸術作品は、われわれの直接の祖先であるホモ・サピエンス(新人)によってつくられました。
しかしどういうわけか、優れた原始芸術は紀元前9000年頃には姿を消してしまいます。そしてその後約6000年間(古代文明が誕生するまでの間)、この原始芸術を超えるような作品は何も発見されていないのです。

旧石器時代の絵画が描かれた洞窟は、ヨーロッパに200以上あることが確認されています。絵画の大半は紀元前1万5000年から紀元前1万年まで続いたマドレーヌ文化期のもので、こうした洞窟の90パーセントはフランスとスペインに集中しています。
【図説 世界の歴史(1) J.M.ロバーツ 著 創元社】より
2009年4月26日(日)
2009年5月7日(木)
【参考文献】
増補新装[カラー版]西洋美術史 高階秀爾 監修 美術出版社
図説 世界の歴史(1) J.M.ロバーツ 著 創元社
世界の歴史がわかる本 綿引弘 著 三笠書房